散骨とは?
お墓参り。
お盆やお彼岸に田舎にある実家に帰省し、親族皆が集まると、先祖代々が眠り守り続けてきた墓地に盆ちょうちんをぶら下げて赴き、墓前に花を手向け線香をたく。むかしからの日本の風情ある光景ですね。
ですが最近では、さまざまな家庭事情、住宅事情、意識の変化により、この光景が変わりつつあります。
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その中で近年では「散骨」という供養の方法が注目されています。
散骨という言葉で調べると、一般的なものは故人の焼骨した遺骨を粉末化したのち、海、山、空などにそのままの粉末を撒く供養のことを指しています。
つまり、墓地を必要とせず、また毎年の定期的な管理も必要としない、供養の方法です。
多様性ある供養方法が必要な社会
散骨は、ただその後の遺族・親族などが楽をすることを目的としたものではありません。
先祖代々からの伝統的な供養を大事にするのももちろん良いことなのですが、それが必ずしもどのご家族にも実現できるものではありません。
例えば、本家ではなく墓をもたない家族である場合、一家の主が突然亡くなってしまったら、それを購入する費用が遺された家族では用意できないかもしれません。
また、すでに墓自体はあるものの遠方に暮らす親族しかいない場合、そしてその親族をも高齢化により気軽に足を運べない健康状態だった場合など、墓の掃除や周辺の草取り、手を合わせに訪れることさえ困難な状況があるかもしれません。
散骨を選び、それがもし海であるとしたら、どの海も繋がっているのだからその窓から眺める海に毎日手を合わすことも出来るかもしれませんし、山であるとしたら四季折々の花に囲まれ、それを遠くから望んだり、時には登山で訪れたりと、墓地にあるおおよそ暗く悲しいイメージとはまた違った供養を行うことも可能であるのです。
それに、これは遺された遺族、親族だけの事情ではないこともあります。
故人本人の意向で、生前好きだった趣味の釣りやマリンスポーツになぞらえて海に散骨を希望する場合や、入るお墓もなく一人暮らしが長かったので、気心知れた仲間とまた同じ樹の下で安らかに眠りたいなど、亡くなった後を家族や形式にとらわれず、安心できる納得した場所と形で安らかに眠りたいといったような、いわゆる「終活」を積極的に行ってきた方々に多く選ばれる傾向があります。
きまり事だけにとらわれない、個人それぞれの多様性を認められるようになった今の時代にこそ、散骨という供養の方法はいま注目されているのだと思います。
散骨に許可は必要?違法?代行業者について
散骨の方法にはいまのところ法的規制はないので、許可などは必要ありません。
しかし、節度をもって行うことを各所で呼びかけられています。
というのも、許可が必要ないからといってただ好きなところに好きなように故人の遺骨を撒かれていては、例えば、あなたが大事に育てている美しい花壇に見知らぬ人が遺骨を撒いたらどう感じるでしょうか?
それは極端かとお思いになるかもしれませんが、実際にそれに近いことがあり一部自治体では条例を設けているところもあるのです。散骨そのものを禁止している自治体もあるようですので、事前に調べておく必要があります。
主に、公共施設、その敷地内や、私有地、養殖場が近くにある海域や、環境を維持する必要のある観光地やその観光ルート上など、節度をもって・・・とはこういう場でのことを指すのは当然のように思いますが、それ以外でも周辺住民の理解が得られないなどの問題はあります。
また、私有地であっても、将来的に土地を売却する予定や可能性がある場合、説明事項として明記する必要が出てきたりトラブルのもとになることもあるようです。
いずれにせよ、事前の調査は不可欠かと思いますので、特定した場所の希望がなければ代行業者の方にご相談をするのをおススメしたいです。
そして、必ず注意しておく必要があるのが、遺骨の形態です。
散骨方法自体に法的規制がなく許可がいらないといえでも、ご遺骨は必ず「粉末状態、一片2mm以下」に加工して行う必要があります。これは遺骨の不法投棄として発見されてしまう恐れがあるからです。粉末でないまま遺棄事件として扱われれば警察のお世話になってしまいます。
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散骨のメリット!墓石不要、だから供養場所も選べる
よく知られているのは海洋散骨ですが、他にどんな方法があるのでしょうか?
調べてみたところ、海洋散骨だけでもいろいろとあり、その他、故人やご遺族に合わせた供養の形が用意されていることが分かりました。
【海洋散骨】
・チャーター散骨・・・散骨業者のクルーザーなどを一艘貸し切り、ご家族、親族だけでお別れのお気持ちと共に海洋上から散骨します。乗船できる人数が多く、よりプライベートな空間で、その分お値段が海洋散骨の中でも比較的高いですが、20~30万円ほどであったりとお墓や納骨堂に比べリーズナブルです。
デメリットとしては、親族内で船が苦手であったり予定を合わせるのが難しいなどの事情がある場合があります。
・合同乗船による散骨・・・複数のご遺族と共に乗船し、合同によるご供養セレモニー等を行います。その後、海洋上から散骨するのはチャーターと同じです。各ご遺族のうち、乗船できる人数に限りがあります。
デメリットとしては、プライベート空間ではないことがあげられますが、チャータータイプの半額ほど(10~15万円)の費用を設定されている業者が多いようです。
・委託散骨・・・代行業者の方に粉末状にしたご遺骨を預かってもらい、代わりに海洋上で散骨してもらうプランです。合同散骨の約半額程度の費用(5~8万円)を設定されていることが多いようです。
デメリットはもちろんご自分の手で送り出せないわけですが、船酔いの心配がある場合や費用・健康上の不安がある場合などにはおススメです。
【樹木葬】
墓石を用いらず、代わりにシンボルとなる樹木や青々とした芝生、草花などのまわりやその下に散骨するものです。シンボルはあるものの、併せてシンプルな標石などを飾る場合もあります。また、散骨に限らずご遺骨のまま埋葬するものもあります。費用は30万円台~であることが多く、デメリットとしては扱いがお墓と似たものになるケースや、見ず知らずの方々のご遺骨と一緒に眠るケースもあります。
【空葬】
海洋散骨に近いものがありますが、ヘリコプターから海上上空から散骨するものです。プラン内容に、思い出の地などを回ってくれるものもあります。基本的に個人葬になるので費用も40万円台~と多少高額になる場合があります。
【山葬】
樹木葬と重なるものがありますが、主に里山などで散骨を行います。景色の良いところを提供して頂けることが多く、故人の気持ちにより寄り添ったご供養が出来るかと思います。散骨後には散骨した場所を示す地図をもらうので、その後のお参りにも安心です。
以上、いろいろな散骨、ご供養の方法をご紹介しました。
いずれも散骨地点の明確な目標物がないことが多いため、散骨証明書などを用意して下さる場合が多いです。
また、個人的に所有地内に散骨される場合もありますが、地域の事前調査はやはりトラブル防止のため必須かと思います。
まとめ
家族のかたちにいろいろとあるように、家族、親族で考え方もさまざまです。昔ながらのご供養を望まれる方も必ずいますし、遺された者たちのことを思って散骨を選ばれる方もいるのも確かです。
ですが、どちらも間違っていない、大切な想いがあってのことですから、ぜひ万が一の日が来る前にご意思を確かめ合っておくのも大事なことなのではないでしょうか。
そして、ご供養が苦となることのない、ご家庭、個人それぞれにあったかたちを選んでほしいものです。
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