■投資用の中古ワンルームマンションとは?
近年では投資にも様々な形態がありますが、そのうちの1つが中古ワンルームマンションの購入による経営です。あくまで投資用として購入する為、自分が住む訳ではないありません。よって、それほど場所に拘る必要がないという点が、普通にマンションの購入を考える場合との一番の違いです。
その物件を実際に一度も見ることなく購入してしまうこともあるほどで、要はその物件が一般的に見て、魅力的かどうかです。それは、購入したマンションに誰かに住んでもらうことで、その家賃収入を得ることが一番の目的だからです。
購入にはローンを利用しますが、簡単に言ってしまうと、その支払いを家賃収入で相殺(ある程度まで)してしまおうということです。よって、マンション購入によって大きなローンを組むものの、そのまま返済を抱えることにはならないのが最大の特徴となっています。
ですが、長年に渡ってローンを組むことになる為、以下で紹介していく色々な点をきちんとチェックした上で購入(投資)しないと、デメリットの方が上回ってしまうことにもなりかねないので注意が必要です。
■中古のワンルームマンションがターゲットなのは何故?
何故「ワンルームマンション」なのかと言えば、3つの理由が挙げられます。1つは、新築物件より安価で購入できるという点です。いくら家賃収入との相殺でローンの返済が軽減されると言っても、毎月10万円以上にもなるローンとなると、持ち出し分がかさんでしまいます。中古物件であれば、中には家賃収入だけで返済が行えてしまう場合もある為、極力持ち出し分を作りたくない時には安価な物件を探すのがポイントとなります。
そして、2つ目の理由は、そのマンションを貸すことになる相手が単身者に絞れるからです。家族で居住できるような広い物件になると、そのまま長年住み続けられてしまう可能性があります。その方が安定して家賃収入が入ると思ってしまいがちですが、それは、投資用のマンションとしては間違った選択です。
何故かと言えば、購入目的こそ投資用とは言っても、ローンの返済が終われば自分の所有となるので、その後に売却したり、自分が住むという選択肢があります。それがこの中古ワンルームマンションの購入の最大のメリットで、目的でもある訳ですが、住み続けられてしまうと、それらが行えなくなってしまうので、比較的短期間で居住者が変わる単身者用の物件がおすすめなのです。
3つ目としては、2つ目と重なる部分がありますが、単身者の回転が望める為です。理想は1年や2年程度で居住者変わってくれることで、入居時に預かる敷金によって、修繕に困ることがないからです。当然ですが、人が住めば、序々に物件には痛んできます。それを入居者が変わるごとに敷金で修繕できるので、長く綺麗な状態を保つことができ、それによって次の入居者も入りやすくなるというメリットがある訳です。
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■駅から近い物件がおすすめですが…
投資用の中古ワンルームマンションを購入するなら、鉄道の駅から近い物件に限ります。どのような人が借りるにしても、駅から近いに越したことはなく、その駅までの道のりに商店街やコンビニ、病院などの日々の生活に必要なお店や施設があるほど魅力的な物件だと言っていいでしょう。
ただし、そのような物件になるほど価格も上がる為、そこは予算との相談です。最初から投資用と銘打って売り出されている中古ワンルームマンションは、予算的に1000~2000万円のものがほとんどですが、2000万円にもなると、30年ローンとしても、年利1~2%の金利で毎月7万円前後の返済になります。
詳しくは後述しますが、マンションを所有すると、出費はこれだけではなく、毎月の管理費(入居者が入っていない時)や修繕積立費、固定資産税なども掛かってきます。これらにも月にして2~3万円程度は見ておかないといけないのが現実で、合わせて毎月10万円以上の支払いになる場合も少なくありません。
いくら駅に近い物件がおすすめとは言っても、その為に高額になっていると思われる場合には、上の返済や管理費などまで考えて、少々条件の劣る安価な物件の方を選んだ方がいい場合もあるので、ここは考え所です。
■家賃保証とは?それがあれば安心?
最初から投資用として売り出されているマンションには、家賃保証というシステムがあることが多いです。その名前の通り、例え誰も借りていない状態でも、ある程度の家賃が入ってくるという契約になります。
これについてはケースバイケースなので、あくまで一例になりますが、7万円の家賃で貸すことができる物件を購入したとして、誰も入居していない状態でも5万円は保証するという契約だったとします。ただし、その保証がある為に、入居している場合でも6万円しか入ってこないといったようなことがあります。また、最初の10年だけなどと期間が限定されている契約もあるので、この家賃保証についてはきちんと確認しておかないといけません。
家賃保証がない場合(または、その期間が終了した後)には、自分で借り手を探さないといけません。基本的に不動産屋にお願いすることになりますが。それには当然仲介料などが発生するので、その分もきちんと計算が必要です。
投資用の中古ワンルームマンションの購入は、このように単なる投資とは違い、色々なことを考える必要があるのです。いくらほとんどローンの返済を行う必要がなく(ほぼ家賃で相殺できる計算)、将来的に自分の物になるとは言っても、雑把な計算で購入してしまうと、毎月持ち出しが発生してしまい、そんなはずではなかったと後悔することになってしまうかも知れません。場合によっては、自分の物となった後に売却してもその分が取り戻せずに、投資として失敗に終わってしまう場合もあると覚えておきましょう。
■団体信用生命保険って?
住宅ローンを組む場合には、その金額に相当する別の不動産を担保にでもしない限り、この保険に加入することになります。それがローンを組める条件となっていることがほとんどです。
この団体信用生命保険とは、もしローンの契約者が重篤な病気に掛かってしまったり、後遺症を負うような大きな怪我をしてしまい、社会に復帰すること(働くこと)ができなくなくなった時に、残りのローンの返済がその保険でカバーされるという仕組みの保険契約です。(万が一、死亡したという場合も含みます)
これに加入することは、万が一の時の為のメリットとなりますが、その為の保険料が掛かることになります。その分も毎月のローンの返済と一緒に支払い分として考慮しておかないといけないことを覚えておきましょう。
団体信用生命保険は生命保険の一種なので、加入者の年齢などによって保険料が変わります。原則的に払い戻し金はない保険になりますが、もし返済の途中でその物件を売却する時にはそれが受けられることもあります。
■節税対策にもなるって本当?
投資用の中古マンションを購入することで、節税対策にもなるのは本当です。細かい計算は物件の価格や所得税額にもよりますが、10年以上残りのローンを抱えている間はローン残額の1%、または5万円のどちらかの所得税からの控除が受けられます。
また、年間で家賃(保証も含めて)収入と返済額の差額で赤字になってしまった時には、その分を申告すると、それによる減税が受けられることもあり、節税対策という面でも中古ワンルームマンションの購入は長年の渡る投資としておすすめだと言われているのです。
注意点もあり、家賃収入の方が返済額を上回り、差額で利益が出た場合には、金額によってはそれに対して税金が掛かってしまうので、基本的にはローンの返済や管理費などの毎月の返済分がちょうど(課税されない程度までの利益が出て)相殺できるのが理想です。つまり、経営とは言いながら、将来的にそのマンションが自分の物になるという点を除いて、毎月の儲けを出そうとはあまり考えてはいけない投資となります。
最初から利回りという形で、毎月や年間で利益が出るとうたっている物件でも、実際にその通りになるとは限りません。それは一番うまく活用できて、マンション自体の価格の下落もない場合の話です。そのような契約では、ローン年数や毎月の払い額、更には貸し出す相手(会社)が予め決まっているなどという制限の多い契約になる場合がほとんどです。
■充分に考えた上で購入を考えましょう
まとめますが、投資用のワンルームマンションの購入は、将来的にその物件が自分の物になるのがメリットで、それまでのローンの返済や保険料などの大半を家賃収入でカバーしてしまおうという投資です。
しかし、20年や30年といった長期間に渡る投資なので、途中で支払いが行えなくなって売却することになってしまうような可能性もある訳、大雑把な計算ではなく、できる限りきちんとした計画を立てた上で購入(投資)することが大切だと言えるでしょう。
利回りをうたった物件も多いですが、そのような契約の場合では、契約内容に特に注意してください。結構な赤字になってしまい、手放そうと思ってもそれができない(高額な違約金などによって)といった状況になってしまっては大変です。
この中古ワンルームマンションへの投資は、原則的に毎月の細かな利益を出そうと思ってする投資ではありません。将来に向けて行う貯蓄のようなものだと考えるべきでしょう。
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